Photo of base material for cooling sheet

近年の猛暑により、熱中症対策、冷却グッズへの需要が高まっている中、確固たる地位を築いているのが冷却シートです。この冷却シートの冷却効果と快適な使い心地を支える重要な役割を担っているのが不織布です。当社は1990年台前半から、冷却シート用不織布を市場に提供しています。

冷却シート用の基布に求められる性能

使用されている不織布は一見、ごく普通の不織布に見えるかもしれませんが、冷却シート用不織布には「冷却効果があるゲルをしっかり保持し、かつ表側に染み出させないこと」、そして、「適度な伸縮性」が求められます。昔は発熱した際におでこに貼るタイプのものがメインでしたが、近年、例えばふくらはぎなど、他の部位に貼る機会や商品も増えています。

また、表面にキャラクターなどを印刷した冷却シートも多く販売されています。体へのフィット性の実現のためには伸縮性が必要ですが、実は印刷加工においては、伸縮性があると印刷加工の難易度が格段に跳ね上がります。そのためこの不織布には、印刷加工適正も考慮しつつ、肌へのフィット性を高める高度な技術が必要とされています。

「肌に貼る製品のノウハウ」を生かした不織布設計

このようなニーズに応えるのが、当社の伸縮性不織布の製造・加工技術です。当社の冷却シート用基布は、1970年代から培ってきた貼付薬用基布の技術をベースに生まれました。長年培ってきた「肌に貼る製品のノウハウ」は、冷却シートに求められる快適性と機能性の実現にも生かされています。

例えば、「冷却効果があるゲルをしっかり保持し、かつ表側に染み出させないこと」においては、貼付薬用ゲル(膏体)に適応できる技術力が生かされています。しかし冷却シート用ゲルは含水率が高く、貼付薬用不織布をそのまま使用したのではゲルが表側に染み出しやすくなるため、基布には異なる設計が求められます。

当社ではこのように、貼付薬用基布で培った技術を基盤としながら、冷却シート特有の要求性能に合わせて改良を重ねてきました。使用繊維の選定、それら配合率の見極め、高目付、厚みの増加、均一性を最適化することで、ゲルの保持性と染み出しの抑制の両立を実現しているのです。

貼付薬用基布の写真
当社の貼付薬用基布

また、印刷加工においては、使用されるインクや加工時のダメージが伸縮性の低下を引き起こします。そのため、印刷加工後の伸縮性変化も考慮して、不織布の設計に落とし込む必要があります。

高目付化・均一性向上と伸縮性はトレードオフの関係となっているため、貼付薬用不織布の生産技術を駆使して設計を行い、お客様の多様な製品設計やデザインニーズに応えています。

品質管理の徹底が生み出す確かな信頼

冷却シートは肌に直接触れる製品であることから、品質への信頼も欠かせません。当社では異物混入防止対策をはじめとする品質管理体制を整え、安定した品質の維持に取り組んでいます。こうした貼付薬基布で培った技術力と品質管理の積み重ねが、冷却シートメーカーからの評価につながっています。

年々高まる「冷やしたい」というニーズ。私たちの不織布は、冷却シートの快適な使い心地を支える重要な素材として、これからも暮らしに貢献していきます。

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